VATSIM行動規範(VATSIM Code of Conduct)

このコンテンツは、VATSIM Code of Conductを和訳したものです。原文はこちら

メンバーの皆さんの守るべきこと、してはいけないことが書かれていますので、ルールの遵守徹底をお願いします。

VATSIMはフライトシムと航空管制の愛好家のために作られたオンラインコミュニティです。
VATSIMの主な目標の一つは、楽しく、それと同時に教育的であり、またパイロットと管制官によるリアルなシミュレーション環境を日常的に世界中で作り上げることです。これらの目標を推進するためには、VATSIM会員は以下の行動規範を遵守しなければなりません。この規範は会員自身がどのように行動するべきかを定めています。

 

VATSIMは会員に対して取締活動を行いません。オンライン上で、当事者同士で速やかに解決できない、他の会員に影響を与える、ネットワークの動作に支障をきたすといった問題が生じた場合、関係者は問題解決のためにスーパーバイザーや管理者がオンライン上にいるかを確認してください。

 

注:VATSIM管理者および職務遂行中のスーパーバイザーについては、この行動規範の特定の部分が適用されないとスーパーバイザー部門の方針で定められています。

A. 一般規則

A1 - VATSIM会員は常に礼儀正しく、お互いを尊重し合わなければなりません。

 

A2(a) - VATSIMを使用するには、まずVATSIMの会員として登録する必要があります。正しく登録された会員だけがオブザーブ、フライト、管制をすることができます。

 

A2(b) - 正しく登録された会員だけがVATSIMまたはVATSIMサービスに接続できます。(ゲストの場合を除く)

 

A3 - 例外なく、自身のVATSIMアカウントが他人に使われることを(故意に)許可することはできません。

 

A4(a) - VATSIMへ登録するときは本名を提供しなければなりません。ニックネーム、コールサイン、略名を登録済みアカウントに紐づけることはできません。VATSIMは、その裁量によって、本名の証明と年齢の証明を会員に要求する権利を保有しています。

 

A4(b) - 次の名前規約のうちの1つだけを使用してVATSIMに接続するものとします。
(1)登録されている姓名(Joseph Smith)
(2)自身の名を適切に短縮し、その後に姓を付ける(Joe Smith)
(3)自身の名(Joseph)
(4)自身の名の適切な短縮形(Joe)
(5)自身のCID
※訳注:VATJPNでは(1)での接続を強く推奨します。

 

A5 - VATSIMの会員である間は有効なEメールアドレスを提供し、維持する必要があります。これはEメールアドレスの変更をVATSIMに通知しなければならないことを意味します。あなたのEメールアドレスは、あなたの明確な事前の許可なしにVATSIM外で共有されることはありません。Eメールアドレスを維持しないことは、予告なしのVATSIMアカウント即座停止の事由となります。

 

A6 - VATSIMアカウントは1人につき1つのみです。

 

A7 - VATSIMによって承認されたソフトウェアのみを使用してネットワークに接続、またはネットワークとインターフェースをとるものとします。
https://www.vatsim.net/documents/approved-software
VATSIMネットワークにログオンする前に、これらのプログラムの基本的な使用方法に慣れておく必要があります。

 

A8 - 本行動規範に別段の定めがある場合を除き、任意のセッション中にVATSIMネットワークへの接続を1つだけ確立するものとします。

 

A9 - 本行動規範のセクションB3(b)に規定されている場合を除き、接続を放置することはできません。 ネットワークに積極的に参加していない(つまり、オブザーバとして接続している)メンバーは、過度の時間ログインしてはいけません。

 

A10 - 他の会員に対して忍耐力と包容力を発揮するものとします。(特に、その人がその地域に不慣れであったり、訓練中の場合)

 

A11 - 脅迫、嫌がらせ、詐欺行為またはプライバシーや肖像権を含む他人の法的権利を侵害するために、VATSIMおよびVATSIMから公式に認められた(訳注:アジア、アフリカ、ヨーロッパといった)地域、支部及びその下位部門によって活用されている、ソフトウェア、フォーラム、ニュースグループ、ソーシャルメディアストリーム、メーリングリスト等を使用することは禁止されています。
これには、上記の手段を使用して、先述の目的のためにその会員を探したり、居場所を突き止めたり、その他の方法で接触しようとすることが含まれます。
さらに、いかなる種類の中傷、侵害、わいせつな、下品な、冒涜的、不法な、またはその他の種類のコミュニケーション、資料、情報を公表、投稿、配布、頒布、使用してはなりません。
この規則に違反する者は、VATSIM.net規則集の第1条に記載されている手順の対象となり、その結果、VATSIMからの削除およびその会員の特権の取り消しが生じる可能性があります。

 

A12 - 自身が保持していない地位を示すまたは暗示するコールサイン、もしくはその他の識別子でVATSIMに接続してはいけません。
ただし、創立者(Founders)、理事(Board of Governors:BoG)、実行委員(Executive Committee:EC)、スーパーバイザー、スタッフのために予約されているまたは一般的に使用されているものはその限りではありません。
さらに、自分が保持していない地位を保持していると表明、暗示、その他の方法で伝えてはいけません。

 

A13 - VATSIMへは、オブザーバー、パイロット、または航空管制官としてのみ接続するものとします。他の接続は許可されていません。
軍事、準軍事または民間政府機関の活動は、(訳注:VATSIMによって)承認された特別作戦組織によって公認されなければなりません。特別業務の制限と手順は特別業務方針で定義されています。
https://www.vatsim.net/documents/special-operations-guidelines

 

A14 - 音声はVATSIMでの好ましい通信方法ですが、テキストのみで通信する会員に対しても同レベルに対応するものとします。音声またはテキストの使用を拒む、または妨げる規則はありません。変更されていない音声だけが送信されることを許可されています。

 

A15 - VATSIMに接続している間、または求められたとき、VATSIM管理者やスーパーバイザーからの全てのメッセージや指示に応答し、従うものとします。

 

A16 - VATSIMに接続中は、プライベートメッセージを除いて、いかなる通信チャネル、周波数、またはリソース上でプライベートな会話をしてはいけません。ガードVHF無線周波数(121.500)は使用しないでください。

 

A17 - 特に人命の損失につながるような現実世界での災害、悲劇等として認識されている出来事を再現、組織化することは許可されていません。さらに、VATSIMが禁止としているコールサインは常に使用することができません。(制限付きコールサイン)

 

A18 - VATSIMは、一般公開のためにVATSIMでの活動を動画配信したい会員を歓迎します。
(a)動画配信中の行為も本行動規範の対象となります。
(b)フライトプランまたは他のVATSIM運用媒体を介して動画配信へのリンクを提供する場合、ストリームチャットなどの非公式媒体を含む動画配信全体が本行動規範の対象となります。
(c)ネットワークに接続されている会員が故意に他の会員の動画配信を中断した場合、ネットワークから直ちに中断されることがあります。
(d)VATSIMは、その会員が他の会員の動画配信の一部であることをオプトアウトする能力を持っていません。

 

B.パイロット規則

B1 - 滑走路上や誘導路上でVATSIMに接続してはいけません。飛行中に接続する場合は、他の会員を混乱させないようにしてください。

 

B2 - 管制下にあって、管制官の明確な許可を得ている場合を除き、VATSIM接続中は一時停止してはいけません。何らかの理由で管制官が許可を取り消した場合は直ちに一時停止を解除するもとします。

 

B3(a) - フライト中は常に(訳注:周波数を)監視しましょう。適切な管制官をチェックし、適時連絡をとることはパイロットの責任です。これには、要請があったときに速やかに応答することが含まれます。

 

B3(b) - 接続を放置する必要がある場合は、ネットワークから切断することが推奨されます。本規範のいずれの規定にもかかわらず、30分を超える接続の放置は許可されません。

 

B4 - 管制より求められた場合を除き、航空機が動いている間はスコークをスタンバイにしてはいけません。トランスポンダーのない航空機のシミュレーションは、管制の承認を得ることで許可されています。

 

B5 - 管制下にない空域を飛行中は、管制下にある空域に達するまで、VHF無線周波数122.800または他の指定された「ユニコム」周波数を聴取するものとします。他のパイロットが恩恵を受けるかもしれない空域にあっては、自身の意図をその周波数で送信するものとします。

 

B6 - どのフライトも他のフライトに対して優先権を宣言することはできません。パイロットは管制下にある場合に限り緊急事態を宣言することができます。何らかの理由で管制が緊急事態の終了を要求した場合、直ちに従うかVATSIMからログアウトしなければなりません。トランスポンダコード7500の入力を含む、ハイジャック宣言等のあらゆる違法行為をシミュレートすることは許可されていません。

 

B7 - 二人以上での編隊飛行が許可されています。何らかの理由で管制が間隔を空けるように指示した場合、直ちに従うかVATSIMからログアウトしなければなりません。

 

B8 - 管制より発せられ、合意した(リードバックした)すべての許可、指示を遵守するか、またはそれが不可能な場合は遅滞なく管制に通知しなければなりません。さらに、運用上の安全性(例えばTCASによる衝突回避)が損なわれない限り、以下の管制指示への準拠が必須です。
・地上待機
・速度
・針路
・高度

 

B9 - シミュレータの倍速モード等の機能を使用するときは、継続的に接続を監視し、他の会員に混乱を引き起こさないようにする必要があります。管制下で上記の機能を使用する場合は、管制官から明示的な許可を得なければならず、管制官が「通常のシミュレーションレート」に戻るように要求した場合、直ちに従うものとします。

 

B10 - IFRでフライトする全てのパイロットは、フライト前にフライトプランを提出しなければなりません。IFRフライトプランには、最低限、航空機のコールサイン、出発空港、到着空港、航空機の種類、および要求されたルートを含める必要があります。全てのVFRパイロットは、適切な場合には、フライトプランを提出するよう奨励されています。

 

B11 - 共有コックピット機能を使用して(訳注:他の会員と)一緒にフライトすることができます。この機能を使用する場合、VATSIMの定める規則の違反に対して共同責任を負います。

 

C.管制官規則

C1 - 初心者管制官およびその空域に不慣れな管制官は、まず他の管制官の業務を観察したり、その地域で使用される手順を調べておく等、自習しておきましょう。

 

C2 - 管制官は現地の規則と手順に従うものとします。所属する地域以外で管制を行いたい場合は、その地域で定められた規則と手順に従う必要があり、現地の定めによっては「訪問管制官」として承認を受ける必要があります。
訪問管制官の身分についてはTransfer and Visiting Controllers Policy(https://www.vatsim.net/documents/transfer-and-visiting-controller-policy)により管理されています。

 

C3 - オブザーバーとしてVATSIMにログインする際は"_OBS"で終わるコールサインを使用することとします。アンダースコアの前には自身のイニシャルか現地で認められた形式を使用するものとします。他に公式スタッフを示すコールサインの形式が認められています。オブザーバーは観察のみを行うものとし、オープンテキストおよび音声による意思疎通や、航空管制サービスの提供を行ってはいけません。

 

C4 - VATSIMは航空管制席について次の接尾辞を認めています。接続時は適切なものを使用してください。

a. DEL - 管制承認伝達席

b. GND - 地上管制席

c. TWR - 飛行場管制席

d. DEP - 出域管制席

e. APP - 入域管制席

f. CTR - 航空路管制席

g. FSS - 洋上管制席

注:認定フライトサービスステーションは、VATSIMグローバルレーティングポリシー(https://www.vatsim.net/documents/global-ratings-policy)の付録Bで指定されています。

 

C5 - 管制席は「先着順」で占有されます。(訳注:vACCなどの)地域施設は、支部の承認を得て、合理的な範囲内で管制予約や管制予定を実装することができます。また、ある管制官がVATSIMへの接続を失い、妥当な時間内に復帰したときに、別の管制官がその管制席を開局していた場合、2番目の管制官は元の管制官に管制席を明け渡すこととします。

 

C6 - 承認された管制席とそれに対応する周波数のみが管制官によって開局されます。管制官は、(VATSIM)全体および現地の方針に従って、承認された管制席のみを開局することができます。詳しくは「Global Ratings Policy(GRP)」(https://www.vatsim.net/documents/global-ratings-policy)および「Transfer and Visiting Controller Policy」(https://www.vatsim.net/documents/transfer-and-visiting-controller-policy)をご覧ください。

 

C7 - 実際にATISがある施設で空港音声ATISを提供するために、VATSIMへの追加の接続を1つ行うことができます。そこには英語で書かれたテキスト版が常に添付されている必要があります。ATISの書式は、「Global Controller / ATIS Information Policy」(https://www.vatsim.net/documents/global-controlleratis-information-policy)に従うものとします。

 

C8 - 自局に適切な可視範囲を設定するものとします。 各管制席の最大範囲は次のとおりです。

オブザーバー(OBS):300海里

管制承認伝達席(DEL):20海里

地上管制席(GND):20海里

飛行場管制席(TWR):50海里

入域管制席(APP):150海里

出域管制席(DEP):150海里

航空路管制席(CTR):600海里

洋上管制席(FSS):1500海里

理事(Board of Governors:BoG)または実行委員(Executive Committee:EC)から事前の書面による承認がない限り、上記の最大範囲よりも高い可視範囲を設定してはいけません。

 

おわりに - VATSIMの主な目標は教育の場であり、リアルなフライト・管制シミュレーションを提供することであり、最も重要なのは、この趣味を誰もが楽しむことができる環境を提供することであるということを覚えておいてください。この行動規範に記載された単純なルールに従うことで、誰もが学び、世界中から新しい友人を作ることができます。新しいメンバーの皆さん、ようこそ! Enjoy!