P1.VATSIM Online Pilot Rating

P1.VATSIM Online Pilot Rating

P1認定に必要な知識を説明します。

ソフトウェアのダウンロードとインストール

最初にVATSIMでフライトするためには、フライトシミュレータが必要です。使用されるフライトシミュレータは、FSX、FS2004 (FS9)または、XPLANE等があります。このコースを始めるにあたり、フライトシミュレータがインストールされていることを確認してください。フライトシミュレータに加えて、VATSIMのネットワークに接続するクライアントが必要になります。公式のVATSIMクライアントは"Squawkbox"と"FSInn" です。どちらでもインストールは可能です。

開局している航空管制(ATC)を見つける

ATC とパイロット、誰がオンラインしているかを見つけるためには、いくつかの方法がありますが、ここでは、Vrouteを紹介します。以下のリンクから得ることができます。
http://www.vroute.net/
無料版でも十分に使用することができますが、全ての機能を利用したい場合は、プレミアム版(有料)もあります。このプログラムは、自動更新機能を持っていますので、手動によりプログラム更新をする必要はありません。”online”ボタンをクリックすると、現在オンラインしているパイロットと管制官の一覧が表示されます。これは、オンラインでフライとする際、どこの管制が開局しているか確認するために頻繁に使用すると思います。オンライン上で誰もいないところで飛んでもあまり意味がないですからね。また、”route”ボタンをクリックすると、飛行ルートを検索することができます。
もし、Vrouteを使用したくなくても以下のところでオンラインの確認をすることもできます。

飛行計画の提出

このコースでは、フライトプランに入力する方法を理解することができるようにする必要があります。このプロセスは、SquawkboxとFSInnでは多少異なりますが、一般的な考え方は同じです。フライトプランの各欄についての説明は次のとおりです。 

名称 日本語名 内容
Flight Type 飛行方式 IFR (計器飛行方式)
VFR(有視界飛行方式)
Departure Airport 出発空港 出発空港の4レターコード
Arrival Airport 到着空港 到着空港の4レターコード
Alternate Airport 代替空港 代替の到着空港の4レターコード
(到着空港が到着予定時刻にIMCである場合に必ず入力します)
Departure Time 出発時刻 出発予定時刻
Enroute Flight Time 飛行時間 離陸~着陸までの予定時間
Fuel Available 搭載燃料 何時間飛行できる燃料を搭載しているか時間で入力します
Cruising Airspeed 巡航速度 予定している巡航速度をTASを使ってノットで入力します。
Cruising Altitude 巡航高度 巡航時の飛行高度を入力します。(例: 12000、FL330)
Voice Capabilities 音声の使用(SB) 適切なものを選択します。
FSInnにはこの項目はないので、remarksに、/V/、/R/、/T/の例で入力します。
管制官はこの内容によってあなたに対してどのようにコミュニケーションをとるべきか知ることができます。
Aircraft Capabilities 航空機性能 適切なものを選択します。これを適切に設定しておけば、管制官からの指示に対応することができます。
(例えばRNAV航法ができる無線機器を搭載していないのに、RNAV対応を選択しておくと管制官からRNAVアプローチの指示がくるかもしれません。)
搭載機器コードの細部については、下のリンクで説明されています。
http://www.vatjpn.org/ja2/modules/prc/index.php?content_id=41
Route 飛行経路 経路を入力します。
Comments    その他、管制官に伝えたい内容を入力します。
FSInnの場合は、remarksに該当します。
あなたが初心者又はオンラインフライト初心者であるならば、”Beginner”若しくは、”newbie”と入力したら良いでしょう。管制英語に慣れていなければ、”speak slowly”と入力しておけば、管制官もゆっくりと話してくれるでしょう。
     

以上、フライトプランの入力が終了したならば、”send tower”をクリックすると、管制官が見ることが可能になります。

航空気象

気象情報は、管制官から常に入手してください。通常、XXXX_ATIS(XXXXは目的の飛行場)の周波数に合わせると温度、地表風、QNH 、雲量、滑走路等を詳述した飛行場のATISを音声で聞くことができます。XXXX_TWRに周波数を合わせても、テキストで記述されているはずです。空港にTWRとAPPが両方いる場合は、TWRにATIS情報があり、APPしかいない場合は、APPにATIS情報があるはずです。この情報は他のすべての天気情報より優先されます。しかし、管制官がオンラインでない場合、どのように気象情報を入手したら良いでしょうか。
そこで、MetarTool_Ver1.1を紹介します。これは、Metar等の空港情報取得ツールです。任意の空港気象情報を一覧表示させ、QNHの単位自動変換、優先滑走路の表示、空港のタワー/レディオ/リモートの別を表示する等、大変役立つツールです。管制官がオンラインしていないときは、参考になります。

航空気象でよく聞く用語にVMCとIMCがあります。VMCとは、有視界気象状態(Visual meteorological conditions)で、VFRによる飛行はこのVMC条件で行わなければなりません。IMCとは、計器気象状態(Instrument meteorological conditions)で上記のVMC以外の状況を言います。このときVFRで飛んではいけません。VMC/IMCの条件は次に紹介しますが、このコースでは、実地にはIFRでフライトをしてもらいますので、それほど重要ではありませんが、将来、上位のレーティングを取るときは必要ですので、是非、知っておくことをお勧めします。

滑走路の選択

使用中の滑走路をどのように選択するかは、パイロットにとって大変重要なことです。管制官がオンラインでいるときは、彼らによって使用滑走路が決められていますが、いない場合は自分で判断しなければなりません。それはそれほど難しい作業ではありません。飛行場の風向によって滑走路を選べばよいのです。
  • 地表風を確認する。(例: 310 度 7 ノット)
  • 使用可能な滑走路を確認する。(例:滑走路33と滑走路15)
  • 風に直面する最も近い滑走路を選ぶ。(例:風向310度に対して、滑走路33が直面している風向は330度で最も近いので使用滑走路は33となる。)
空港によっては、風の強さによって使用滑走路が背風でも選択されることがあります。

VATSIMとの気象の違い

あなたのフライトシミュレータの気象状態とVATSIMの気象状態が違うときがあることがあります。この場合は管制官へ伝えてください。
VATSIMの気象状態にできず、使用滑走路を変更したい場合、管制官へ要求してみてください。トラフィックが少ない場合は、パイロット側の気象状態にあわせて管制指示を出してくれることもあります。もし、トラフィックが多く、あなたの要求が受け入れられなかった場合は、オフラインで飛びましょう。

関連ウェブサイト

このコースで勉強する上で、より知識を付けたい方は、VATSIMの日本支部であるJATJPNのウェブサイトを見るのがよいでしょう。特に、パイロットリソースセンターは、オンラインパイロットとして必要な資料がそろっています。 

ネットワークへの接続

さて、いよいよネットワークへの接続準備です。フライトシミュレータを起動して自分が出発したい空港の駐機場所へ移動してください。
通常、空港選択画面で空港および駐機場所を選択できます。ここで注意事項ですが、いきなり滑走路上から始めないでください。VATSIMの世界では、パイロットが航空機に乗り込んだところから始まっています。準備ができたらネットワークに接続しましょう。

トランスポンダーとスコオークコード

VATSIM管制官は、主にレーダーを用いて管制を行います。レーダーの基本的な原理は、電波を出して、その電波が物体を反射し、帰って来た電波を受信して航空機の存在とその位置(方向と距離)を判断します。VATSIMの場合は、それを模擬して、航跡がレーダー画面上に表示されます。しかし、多くの航空機が居ると区別が付かなくなります。区別を付ける為に航空機にはTransponderと言うものが搭載されています。この装置はATCのRadar信号を受信すると、それに反応して、情報が含まれた信号を発信します。 レーダーは、その信号も受信して、より詳しい情報を管制官に伝えます。
パイロットが、4桁の数字をセットする事によって、4,096通りの信号を出す事ができます。(数字は0から7までですので、組み合わせが4,096通りあります。)その4桁の数字の事や合わせる事を「SQUAWK、スクオーク」と言います。Transponderが航空レーダーの信号を受信すると、SQUAWKしている信号を返信(送信)します。その返信された信号でレーダー上の航空機を区別し、管制業務を行います。
IFR(計器飛行方式)においては、管制官からセットする数字を与えられますが、管制官がいないと自分でセットしなければなりません。一般的なコードは次のとおりです。

  1. 計器飛行方式でフライトする場合
    • 管制官がいる場合: 管制官の指示するコード
    • 管制官がいない場合: 2000
  2. 有視界飛行方式フライトする場合
    • 10,000feet未満で飛行するもの: 1200
    • 10,000feet以上で飛行するもの: 1400
  3. その他
    • 不法妨害を受けている航空機(VATSIMでは使用禁止): 7500
    • 通信機故障にある航空機: 7600
    • 緊急状態にある航空機: 7700

ひとつ、オンラインフライトするにあたって、トランスポンダーについて重要なことを覚えましょう。
それは、地上にいるときは、squawk standbyにしておき、離陸直前にsquawk normal(MODE-C)するということです。Squawk stanbyとは、トランスポンダを応答させないようにすることを言い、squawk normal(MODE-C)はその逆です。
通常、管制官のレーダー画面には、squawk standby の航空機はドットのみ、squawk normal(MODE-C)の航空機にはドット+データタグ(コールサイン、スピード、高度等)で表示されます。もし、地上でsquawk normal(MODE-C)にして、そのような航空機が同じ空港に多くいたら・・・。忘れないでください。squawk normal(MODE-C)はフライト中のみです。
なお、操作方法については、"Squawkbox"と"FSInn"それぞれの説明ページに記載されています。

チャート

日本のチャートはAIS Japanで入手できます。入手方法をCFIJapan様が下記で解説されています。

このコースでは、これらのチャートについて詳しく理解できることは求めませんが、各種チャートがどこにあるのかを知っていることが求められています。フライトシミュレータのラーニングセンタである程度は学んでいるとは思いますが、よりリアルに近いフライトを楽しみたい人は、これを機会に是非、覚えてください。

基本的な用語の理解

あなたは、このコースの中で、基本的な管制官との交信要領を練習する必要があります。
何回かの実地訓練で実践してもらいますが、次のリンクに交話要領がありますので事前に少しでも話せるようにしておいてください。
詳しい内容はVATJPN パイロットリソースセンターを参照してください。

ナビゲーション

離陸から着陸までの間、正しく針路をとって飛行するには、技術と練習が必要です。今日ではパイロットがフライトのプランを立てて実際に飛行するのを助けてくれる様々なツールがあります。このコースでは、どのようなツールがあるのかを知っていることが求められています。使用方法までは求められてはいませんが、自分がこれからよく使用する機体で使用できるツールは使用方法を徐々に覚えていきましょう。
フライトシミュレータのラーニングセンターに「航法」のセクションがありますので是非ご一読ください。

VATSIMの基本的事項

ここでは、VATSIMの基本的事項を学んでもらいます。VATJPN HPのPilot Resource Center (PRC)にある項目の、「はじめに」~「102」を一読してください。

また、貴方のフライトをサポートする管制の役割についても知る必要があります。以下のリンクを一読ください。

通信

コミュニケーション

管制官と話すときは、挨拶をするのが礼儀です。強制ではないですが、VATSIMは、コンピューター相手のフライトシミュレーションではありません。自分が気持ちよくフライトするためにも、“good evening”“good day”等の一言でもいいので挨拶しましょう。

UNICOM 122.800

 UNICOMとは、管制官がだれもオンラインでないときに使用するチャネルで、122.8を使用します。このチャネルでテキストにより、自分のフライト内容をブロードキャストします。そうすることによって、オンラインでフライトしている周辺のパイロットと意思の疎通を図ることができます。プライベートチャットではないので、パイロット若しくは管制官と会話を交わすための目的で使用しないでください。
以下に、例を記入しておきます。

JA1234: Good morning, push and start GATE 54, JYOGA1 departure 

JA1234: Taxiing to holding Point, RWY34R 

JA1234: Passing HON FL150 for CPT FL320 

JA1234: Expect ILS Z RWY06R via DANDE ALFA arrival

Contact Me

あなたが、UNICOMをモニターしてフライトしているときに、「ピンポーン」という音ともに、“Please contact me on XXX.XXX. Please do not respond via private message ? use the frequency instead.”というメッセージが、プライベートメッセージでくることがあります。これは、管制官が担当している空域を飛行している場合に、管制官の“Contact Me”コマンドにより、自動的に送られてくるメッセージで、管制を受けられることを意味しています。“XXX.XXX”の周波数にセットしてコンタクトしてください。もし、無視してフライトしていると、再び呼びかけられることでしょう。

 

お疲れ様でした。以上がP1レーティングのシラバスと初心者ガイドです。