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こんばんは。羽田空港の34L着陸での04横断について質問です。
05月16日の初心者イベントでの出来事です。
着陸後、N AREAに向かうためにL-16を使う旨をTWRに伝えたところrogerと返答がありました。その後RWY34L Cleared to land wind...と着陸許可が出た上でRWY34Lに着陸しました。私は着陸し、L-16に入るつもりで滑走をしました。L-15のあたりでturn left L-14と指示が出ました。とっさにブレーキを掛けながら復唱しましたが、既に通り過ぎていますし、自機がRWY04との交差点上に居ることに気づき、そのまま、RWY04を横断し、L-16から滑走路を出ました。この直後にTWRから「TWRの許可なく滑走路横断しないでください」とボイスチャンネルで指導を受けました。Hold Short等の指示は出ていませんでした。この場合、RWY34Lの着陸許可がでていても、RWY34Lと交差しているRWY04は横断してはいけないのでしょうか?横断してはいけない場合、米国のLAHSOのような明確な指示は出されないのでしょうか?(これは実質的にRWY34Lの滑走路長がチャートの3000mよりも短く制限されていると理解してよいということでしょうか?)
以前もエンドから出る際にはそのまま滑走路を横断していましたが、指摘されたのは今回が初めてだったため、疑問に思い投稿しました。
回答していただける方が居ましたらよろしくお願いいたします。
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poteto ( | 2020-05-17 01:45:47 )
本筋とは異なりますが、『この直後にTWRから「TWRの許可なく滑走路横断しないでください」とボイスチャンネルで指導を受けました。』とありますが、先日2020年4月30日のLui様の投稿に、「どのようなケースであれ、無線上で指導的な交信を行ったり、掲示板やSNS、動画配信上などで晒すような行為はそれ自体が違反行為となりますので注意しましょう。」とありましたが、このような場合privatechatでも助言するのが適切なのですか?
discmsk@VATJPN1 ( | 2020-05-17 11:30:12 )
こんにちは。
昨夜の初心者イベントには多くの方に参加していただきありがとうございました。

さて、羽田空港の滑走路の実際の運用については詳しい方にお譲りしたいと思いますが、一般的に考えて、
・パイロットは可能な限り速やかに滑走路を空ける
・管制官は個人的な交信は音声ではなくPMで行う
という、お互いのちょっとした心がけで気持ち良くフライト、管制できるのではないでしょうか。

以下もご参照ください。
http://www.vatjpn.org/forum/1/1344#post-9564
yuniyuni33@VATJPN2 ( | 2020-05-17 14:54:40 )

RAIMUtveeさん、こんにちは。

昨夜のイベントへのご参加、ありがとうございました。

 

管制方式等で定められている滑走/離脱/横断など滑走路に関するものと、東京の運用についてまとめてお答えいたします。

 

1. 着陸前にL-16の離脱を通報しても「Roger」だけではそれが承認されたものではありません

ROGER-了解-当方はあなたの最後の送信を全部受信しました。(復唱を求められた場合 又はAFFIRM若しくはNEGATIVEによって返事する場合は使用しない。)

【VATJPN管制方式基準(Ⅰ) 総則 6b電話通信(2)(10) 送信要領e. 表中】

 

   機体の性能等を考慮し、管制官はできる限り通報された誘導路からの離脱指示を発出しますが、後続機が接近している場合や、出発機がある場合など、L-16からの離脱に不都合がある場合は、要求・通報した誘導路以外の誘導路を指定されることがあります

   この場合、着陸前にその旨指示されることが多いかと思います。

 

a.到着機に対しては、必要に応じて適切な時機に着陸滑走路から離脱する誘導路等を指示するものとする。

Ph:(もし可能なら)〔離脱地点〕で左/右へ曲がってください。

   (IF ABLE)TURN LEFT/RIGHT 〔turning point〕.

注: 操縦士は管制官の指示がない場合は、滑走路占有時間が最短となる誘導路から滑走路を離脱する。

【VATJPN管制方式基準(Ⅲ) 飛行場管制方式 2管制許可等(9) 滑走路離脱の指示 a.】

 

後続機が迫っている場合や出発機が離陸を待っている状況では、着陸前に滑走路からの早期離脱を示唆されることがある。

ATC: All Nippon 376, if able, vacate runway at first available taxiway, succeeding B747 3 miles behind you.

【AIM-j 2018年後期版 356.】

 

2. すでに過ぎた誘導路を指定されてしまった場合は復唱せず、すみやかに不可能である旨を通報し、再度L-16の離脱を要求するなど、代替の指示を要求してください。

「yes」/「no」で返答する必要のある場合は、"affirm"または"negative"の用語を使用し、「送信内容を了承しそれに従う」旨の意思表示としては"wilco"(will comply の略)を、または管制承認や管制指示の内容に従えない場合は"unable"の用語を使用すべきである

【AIM-j 2018年後期版 277. a. 注2 抜粋】

 

パイロット(PIC)は、運航の直接かつ最終的な責任者であり、航空機の性能または安全運航の観点から管制指示等に従うことが妥当ではないと判断した場合は速やかにその変更または代替指示等を要求すべきである。

【AIM-j 2018年後期版 290. 2)】

 

パイロットは、地上滑走中に経路等に迷いを生じたら、直ちにATCに通報して指示を得るべきである。

【AIM-j 2018年後期版 290. 5)】

 

3. 2020年5月現在、日本国内の空港ではLAHSOの運用はされていません

   着陸後の交差滑走路の横断について明文化された規定はありませんが、管制方式基準の交差滑走路における管制間隔に係る記述、また着陸許可が一つの滑走路全体に対して指示されることから、着陸後は滑走路の横断許可がなくてもL-16まで滑走することができると捉えることができます。同様に、滑走路22に着陸した場合でもA滑走路を横断することができます。

 

(b) 先行到着機が滑走路又は飛行経路の交差部分を通過したとき、後続出発機が使用する滑走路に入る恐れがなくなったときその他着陸して衝突の危険性がなくなったとき((4)-3図、(4)-4図、(4)-5図及び(4)-6図)

【VATJPN管制方式基準(Ⅲ) 飛行場管制方式 3管制間隔(4) 交差滑走路及び非交差滑走路における間隔 a. 抜粋】

 

【Ref. VATJPN管制方式基準(Ⅲ) 飛行場管制方式 2管制許可等(8) 着陸許可】

【Ref. AIP JAPAN RJTT AD 2.12  RUNWAY PHYSICAL CHARACTERISTICS 表中】

 

また、仮にLAHSOが運用されている空港であっても、着陸許可とは別にHOLD SHORT等の指示がない限りLAHSOは有効になりません。重ねて、LAHSOは必ず復唱すべき項目であり、安全上の理由等で拒否することも可能です。

【Ref. FAA JO7110.65 PCG L-1】

【Ref. FAR AIM 4-3-13 Land and Hold Short Operations (LAHSO)】

 

余談ではありますが、滑走路34LからB滑走路へ離脱する場合など、交差滑走路へ離脱する場合は、事前に別途管制許可を得なければいけません。

 

着陸滑走路から交差滑走路へ離脱する場合は、 事前に管制機関の許可を得なければならない。

【AIP JAPAN ENR 1.5-9 1.8.8.3】

続きます。

 
yuniyuni33@VATJPN2 ( | 2020-05-17 14:56:43 )

上から続きます。

 

4. L-16での離脱を事前に通報しているため、今回の件にはあまり関係がありませんが、RJTT AD 2.20 1.1(2)には到着SPOT等に最も近いところから離脱するよう記載されており、Nエリア行きは計画すべき離脱誘導路としてL10、L12、L13が記載されています。

   また、AIP ENRにも滑走路の占有時間はできる限り最短に、離脱可能な最初の誘導路から離脱するよう記載されています。

   ※地上・上空関わらず管制官に指示された場合を除きます。

 (a)The exit taxiways, as a rule, from which arriving aircraft should plan to vacate the runway are listed below.

 (b)Pilot should vacate the runway for which the nearest side of the arriving spot.

 

RWY34L-L10/L12/L13-for Terminal 3 and "N" Area.*

*Except for Instructed by ATC when the Aircraft is on the air or on the ground

【AIP JAPAN RJTT AD 2.20 1.1 (2) Speedy Turn Off Procedure】

 

操縦士は、離陸または着陸に際しては安全上支障のない範囲で滑走路を占有する時間が最短となるよう努めなければならない。

やむを得ず、滑走路に停止しなければならない場合は、直ちに管制機関に通報しなければならない。

【AIP JAPAN ENR 1.5-9 1.8.7】

 

操縦士は、着陸滑走路から離脱可能な最初の誘導路へ、遅滞なく離脱しなければならない。ただし、管制機関から離脱地点を指示された場合はその指示に従うものとする。

【AIP JAPAN ENR 1.5-9 1.8.8.1】


長文になってしまいましたが、お役に立てますと幸いです。

 

yuniyuni33@VATJPN60

Lui@VATJPN32 ( | 2020-05-17 15:30:04 )
まず、日本では、LAHSOの運用はありません。

ただし、AIPには離脱誘導路についてのローカルルールがあり、34Lに着陸する場合は04を横断すべきではなく、仮にFull Lengthが必要であるならば予め管制官に伝えておくべきです。
(※初心者イベントにおいてこのレベルの理解が前提の運用はしないべきです。)

管制官があなたのFull Lengthのリクエストに対してRogerと返答した後、直前でL-14の指示を出したことはできる限り避けるべきこととはいえ、状況が変わればそうしなければならない場合もあります(一見無意味に見えても、管制官は、パイロットが考えているよりも多くの要素を考慮している場合があります)。
最終的な指示を復唱した限りは、許可なくRWYをCrossすることは避けるべきでした。

とはいえ、確かにご質問者側にも改善できうる点があるものの、この点についての指摘は、特段早急に行う必要があるとは考えられませんので、本来であれば周波数上ではなく、PMで行われるべきものでした。

さて、こういった管制の運用についての議論をフォーラムで行うことは大歓迎です。

一方で、「特定の状況下における管制官の運用/対応」をフォーラム上で詳細に記載したうえでご質問されることは、できる限り避けていただきたいと思います。
このようなご質問は、質問者の意図の有無に関わらず、どちらが正しいのか白黒つけたいというニュアンスが含まれてしまう場合が往々にしてあります。

今回は、「羽田空港ではLAHSO運用をしていますか?」や「RWY34Lに着陸する場合、許可なく04を横断してもよのでしょうか?」などと投稿いただければ、ご質問者の満足いく回答が十分得られたかと思います。

次回は以上のような点も考慮してご質問をいただければ幸いです。

 
RAIMUtvee ( | 2020-05-17 17:11:48 )
discmskさん、yuniyuni33さん、Luiさん、ご回答ありがとうございます。potetoさん追加の質問ありがとうございます。

皆さんの回答をまとめると

①日本ではLAHSOに相当するものが無いため、着陸後は滑走路の横断許可がなくてもL-16まで滑走することができる
②誘導路離脱の
指示を復唱した場合は、許可なくRWYをCrossしない

③指示された誘導路への離脱が不可能な場合には復唱せずに代替指示を要求する
④指示は出来る限り余裕をもって出す
⑤指導、指摘はプライベートメッセージにて行う


このことを、パイロット、管制の両者が心がけて円滑なフライトができるようになればと思います。

パイロットとしての意見を書きます。
飛行機はすぐには停止できません。L-16から出る予定なら、滑走路専有時間を短くするために、それなりの速度を出しています。それから、パイロット側はフライトシミュレーター上では1人2役です。滑走しながらチャートや目視で現在位置を確認し、復唱するかしないかの判断を短時間で的確に行うことはできません。「管制官は多くの要素を考慮して指示を出しているから、通り過ぎた誘導が指示されるはずがない」という認知バイアスもかかります。管制官は適切な時期に指示を出すようにお願いいたします。

今回はありがとうございました。
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