FSSとは
VATSIM/VATJPNにおけるFSS
VATSIMには、比較的トラフィックの量が少ない広い空域を1人の管制官がカバーできるように、Flight Service Stationと呼ばれるセクターが定められていて、C1レーティング以上の保持者がログインすることができます。なお、S3レーティング保持者がFSSでOJTを行うことは監督官の有無にかかわらずできません。
VATJPNの管轄空域内に存在するFSSは、RJTG_FSS(Tokyo)のみとなっており、現実のATMCが担当する洋上管制を行います。このため、VATJPNにおけるFSSは洋上管制セクターとほぼ同義ですので、本章では洋上管制の方法について記述します。
洋上管制の特徴
洋上管制は全てエンルート管制となりますが、通常のコントロールの管制と比べ、以下の特徴があります。
- ノンレーダー管制
VATSIMにおいては、全てのトラフィックがレーダー上に反映されますが、現実の洋上にはレーダがないため、ノンレーダーでの管制を行います。 - 時間間隔による間隔設定
洋上にはDMEも設置されていないため、縦間隔を時間で設定します。基本的には、同高度同方向の航空機間には10分の間隔を設定します。 - 航空管制通信官による通信
洋上管制の交信はRadioやRemoteと同様に、管制官が直接発出するのではなく、航空管制通信官により「伝達」されます。このため、管制承認の伝達時には"ATC CLEARES"の用語が前置されるなどします。 - SELCALの利用
洋上管制ではHF帯で通信を行いますが、雑音が多く、パイロットが常に聴取を続けるのに負荷がかかるため、こちらから航空機を呼び出す際にはSELCALを用います。SELCALを行うと、選択された航空機のコクピット内でブザーが鳴り、パイロットが自分が呼びかけられていることを察知できます。VATSIMでも、VRC等を用いてこの機能をシミュレートできます。
VRCにおけるSELCAL機能の使用方法
VRCでは、パイロットが提出したフライトプランのRemarks欄にSELCALのコードが記載されている場合、Tools >SELCAL Panel にその航空機のコールサインとコードが表示されます。パネル上で航空機をダブルクリックすると、その航空機に対してSELCALを発信することができます。ただし、現実とは異なり、パイロットが自局の周波数を聴取していない場合はブザーが鳴りません。