2.3.1 Towerの運用に際して

Towerの運用に際して

管制範囲

タワーが管制を行う範囲は原則として次の通りとなります。

・管制圏内(空港標点から5nm以内, 3000ft以下)を飛行/走行する航空機
・滑走路上における待機、離陸、着陸、滑走路上の地上走行、滑走路の横断に関する許可及び離陸後の交信
・滑走路の横断、滑走路上の地上走行に限り、タワーによることができない場合は、グランド管制官によることができます。ただしこの場合はグランド管制官と調整を行うものとし、トラブルがないようにします。

グランド管制官やデリバリー管制官がいない場合は、その業務も担当します。
管制圏は原則空港標点から5nm以内、上空3000ft以下ですが、空港により円形ではない場合や3000ft以下ではない場合があります。

 

滑走路の運用

タワー管制官は使用滑走路を決定します。またそれに従ってATISを運用します。(後述)

使用滑走路は次の基準に基づき決定します。

・地上風が5kt以上の場合はその風向に最も近い滑走路
・地上風が5kt未満の場合であって、無風滑走路が指定されている場合は当該滑走路

ただし天候が悪い場合(IMC:計器飛行状態)等、風向きにより決定した滑走路が不適当であると考えられるときは、この限りではありません。

 

ATISの運用

タワー管制官はATISの運用を行います。VRC等のソフトで各管制官はそれぞれのATISを記入することができますが、当該空港にタワー管制官の他、複数人の管制官がログインしている場合は、タワー管制官がATISを運用するものとしています。
この場合、タワー管制官以外の管制官は意図しないATISを発行しないように注意しましょう。

ATISは多くても4行くらいになるよう、簡潔に記述しましょう。
あまりたくさんの情報を記述しても逆効果です。特に到着機は操縦しながら見るということを考えたほうが良いです。

・ATIS運用の優先順位

TWR > APP/DEP > GND > DEL

 

トラフィックパターン

滑走路にはトラフィックパターン(場周経路)と呼ばれる長方形の経路が存在します。長方形の各部分には名前が付けられています。通常、航空機は左側のダウンウィンドレグ(滑走路から離陸する航空機のパイロットから見て左手方向)に進入し、着陸します。

左側の各レグについては「left」をつけません(意図して「left」を付ける場合もあります)が、右側の各レグについては「right」をつけます。また誤解のないように方角を付して呼ぶこともあります。(例:south downwind)