基本的な用語
言語
管制は意思の疎通を図る手段です。意思の疎通が図れないと安全な管制はできません。
VATSIMでの管制には原則英語を用います。ただし日本語での交信も可能です。
なお音声での交信が難しい場合は、テキストでの交信も必要となります。
文字の送信
ATISのID、フィックス名等、英文字を送信する場合は基本的にフォネティックコードと言われるもので、送信をします。
文字 読み(太文字は強く発音)
A AL FAH
B BRAH VOH
C CHAR LEE
D DELL TAH
E ECK OH
F FOKS TROT
G GOLF
H HOH TELL
I IN DEE AH
J JEW LEE ETT
K KEY LOH
L LEE MAH
M MIKE
N NO VEM BER
O OSS CAH
P PAH PAH
Q KEH BECK
R ROW ME OH
S SEE AIRRAH
T TANG GO
U YOU NEE FORM
V VIK TAH
W WISS KEY
X ECKS RAY
Y YANG KEY
Z ZOO LOO
一方、数を送信するときはそれぞれの用語で送信します。なお100、1000はそれぞれ"HUNDRED", "THOUSAND"にして送信します。
数字 読み(太文字は強く発音)
0 ZE-RO
1 WUN
2 TWO
3 TREE
4 FOW-ER
5 FIFE
6 SIX
7 SEV-EN
8 AIT
9 NIN-ER
. DEY-SEE-MAL
100 HUN-dred
1000 TOU-SAND
例
10 ONE ZERO 815 EIGHT ONE FIVE 1500 ONE THOUSAND FIVE HUNDRED 13000 ONE THREE THOUSAND 119.1 ONE ONE NINE DECIMAL ONE
なお100以上の数値でも1文字ずつ送信しなければならないものもあります。下記に管制において送信する数値の種別とその例を示します。
・時刻
0920 ZERO NINE TWO ZERO(09:20UTC) 1500I ONE FIVE ZERO ZERO INDIA(15:00JST)
・高度/フライトレベル(一文字送信)
5500feet FIVE THOUSAND FIVE HUNDRED (FEET) 13000feet ONE THREE THOUSAND (FEET) FL50 FLIGHT LEVEL FIVE ZERO FL150 FLIGHT LEVEL ONE FIVE ZERO
・速度(一文字送信)
250kt TWO FIVE ZERO (KNOTS)(対地・対気速度は一文字送信) 20kt TWENTY KNOTS(速度の増加量は普通読み) M082 MACH POINT EIGHT TWO(マック数は一文字送信)
・距離(一文字送信)
20nm TWO ZERO (MILES)
・視程/RVR(一文字送信)
通常一文字送信ですが、100,1000未満の数値がない場合は普通読みになります。また単位は5km以上の場合はキロメートル、5000m未満の場合はメートルとなります。
40km VISIBILITY FOUR ZERO (KILOMETERS) 7km VISIBILITY SEVEN (KILOMETERS) 3000m VISIBILITY THREE THOUSAND (METERS) RVR550m RVR FIVE FIVE ZERO (METERS)
・周波数(一文字送信)
小数点3桁目以降は読みません。
119.1MHz (FREQUENCY) ONE ONE NINE DECIMAL ONE (MEGAHERTZ) 132.325MHz (FREQUENCY) ONE THREE TWO DECIMAL THREE TWO (MEGAHERTZ)
・滑走路番号(一文字送信)
滑走路番号が1~9の場合は先頭に"0"を付けます。またL/Rの場合は"LEFT", "RIGHT"を最後に付けます。
07 RUNWAY ZERO SEVEN 32L RUNWAY THREE TWO LEFT
・風(一文字送信)
単位は度とノットです。風向が100度未満の場合は"0"を付けます。
80度15ノット WIND ZERO EIGHT ZERO AT ONE FIVE (KNOTS)
・高度計規正値(一文字送信)
単位は水銀柱インチ/ヘクトパスカルを使用します。水銀柱インチの"DECIMAL"は読みません。またヘクトパスカルの場合は単位を付します。
29.98inHg QNH TWO NINE NINE EIGHT 1008hPa QNH ONE ZERO ZERO EIGHT HECTOPASCALS
・磁針路(一文字送信)
単位は度です。方位が100度未満の場合は全部で3桁となるように"0"を付けます。なお北は000度ではなくて360度です。
5度 (HEADING) ZERO ZERO FIVE (DEGREES) 70度 (HEADING) ZERO SEVEN ZERO (DEGREES) 180度 (HEADING) ONE EIGHT ZERO (DEGREES)
・旋回角
単位は度です。普通読みします。
30度 THERTY DEGREES 120度 ONE TWENTY DEGREES
・航空路及びRNAV経路
先頭の文字はフォネティックコードで読み、その後の数値は普通読みします。
G339 GOLF THREE THERTY NINE V17 VICTOR SEVENTEEN
コールサイン
各管制機関、航空機等にはコールサインと呼ばれる呼出符号を用いて呼び出します。
管制機関 コールサイン
コントロール(管制区管制所) CONTROL
ターミナル管制所 RADAR
アプローチ(入域管制席) APPROACH
デパーチャー(出域管制席) DEPARTURE
タワー(飛行場管制席) TOWER
グランド(地上管制席) GROUND
デリバリー(管制承認伝達席) DELIVERY
レディオ(飛行場対空援助席) RADIO
国際対空通信局 なし (TOKYO)
リモート(飛行場援助) REMOTE
なおVATSIMでレディオとしてログインする場合は"XXXX_TWR"としてログインします。
一方航空機の場合で民間機の場合は、機体番号を一文字読みしたもの、もしくは会社の略号に機体番号の4桁を付けたもの、もしくは会社の略号に運行番号を付けたものになります。
例
JAL1801 JAPANAIR ONE EIGHT ZERO ONE ANA681 ALLNIPPON SIX EIGHT ONE SKY001 SKYMARK ZERO ZERO ONE ADO11 AIRDO ONE ONE SNA12 NEWSKY ONE TWO SFJ72 STARFLYER SEVEN TWO JAC3649 COMMUTER THREE SIX FOUR NINE JA8967 JULIETT ALPHA EIGHT NINE SIX SEVEN
自衛隊機の場合は陸・海・空の種別を示す略号に機体番号の下4桁を付したものになります。なお演習等行っている場合はそのニックネームにし1~4桁の数字を付したものになります。
例
航空自衛隊1234 Japan Force ONE TWO THREE FOUR 海上自衛隊1234 Japan Navy ONE TWO THREE FOUR 陸上自衛隊1234 JULIETT GOLF ONE TWO THREE FOUR MUMBO ALPHA NOVEMBER FOXTROT THREE ZERO ONE
通信用語
管制において使用する基本的な語がいくつか存在します。下記にその基本的な用語を記します。
ACKNOWLEDGE(応答してください) →通報の受信証を送って下さい。
AFFIRM(そのとおりです) →そのとおりです。
APPROVED(許可又は承認します) →要求事項については許可又は承認します。
BREAK(ブレイク) →当方は、これにより通信の各部の区別を示します。
BREAK BREAK(ブレイク ブレイク) →送信多忙中、当方は、これにより他の航空機宛の通報との区別を示します。
CANCEL(キャンセル) →先に送信した承認又は許可を取り消します。
CHECK(チェック) →装置又は手順を調べなさい。(通常、返答は期待しない)
CLEARED(許可又は承認します) →条件を付して許可又は承認します。
CONFIRM(確認して下さい) →当方が受信した次の通報は正しいですか。又はあなたはこの情報を正しく受信しましたか。
CONTACT(交信して下さい) →…と交信して下さい。
CORRECT(そのとおりです) →あなたの送ったことは正しい。
CORRECTION(訂正します) →送信に誤りがありました。正しくは…です。
DISREGARD(取り消します) →送信した通報は取り消して下さい。
GO AHEAD(送って下さい) →送信して下さい。
HOW DO YOU READ(感明度いかが) →当方の送信の感明度はいかがですか。
I SAY AGAIN(繰り返します) →当方は明確にするため又は強調するためもう一度送信します。
MONITOR(聴取して下さい) →(周波数)を聴取して下さい。
NEGATIVE(ちがいます) →ちがいます。承認されません又は正しくありません。
OUT(さようなら) →交信は終わりました。さようなら。(VHF/UHF交信では使用しません)
OVER(どうぞ) →当方の送信は終わりました。どうぞ回答を送って下さい。(VHF/UHF交信では使用しません)
READ BACK(復唱して下さい) →当方の通報を受信したとおり全部復唱して下さい。
REPORT(通報して下さい) →次の情報を通報して下さい。
REQUEST(要求します又は要求してください) →次の情報を要求します又は次の情報を要求して下さい。
ROGER(了解) →当方はあなたの最後の送信を全部受信しました。(復唱を求められた場合又はAFFIRM若しくはNEGATIVEによって返事する場合は使用しない。)
SAY AGAIN(繰り返して下さい) →もう一度送って下さい。
SPEAK SLOWER(ゆっくり送って下さい) →もっとゆっくり送信して下さい。
STAND BY(スタンバイ) →当方が呼ぶまで送信を待って下さい。
VERIFY(確認して下さい) →(高度を)確認して下さい。
WILCO(了承) →あなたの通報は了解しました。これに従います。
WORDS TWICE(2度ずつ送って下さい) →通信困難です。各語又は語群を2回ずつ送信して下さい。
WORDS TWICE(2度ずつ送ります) →通信困難ですから、通報中の各語又は語群を2回ずつ送信します。