102e 紛争回避の案内

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概略

VATSIMの紛争解決チームの主目的は、VATSIMのルールに違反したメンバーに対して懲罰的なことを含む事件の内容を聞き取ることです。VATSIMが他のフライトシミュレーションコミュニティと違うことは、メンバーがフライトや管制を行える構造的な環境を提供しているということです。その構造的な環境の一部として、VATSIMはメンバーが守るべきルールを決めているのです。これらのルールが皆の共通認識であり、皆が私たちのオンラインコミュニティで楽しんでいる適切な状態である間は、私たちのほとんどはこの紛争解決には縁がないでしょう。この章ではルールの概要を示し、もしトラブルに巻き込まれたときに何を予期するかについて示します。

ルールを好む人がいない間、随所に良好な組織を見ることでしょう。VATSIMを粉々にしてしまうこととは、非難されたメンバーに対して、彼らが行ったことについて説明させたり、仮に彼らが間違って非難されているんだと信じている場合には、それを弁護させたりする機会を私たちが与えてしまうということです。ほとんどの場合において、メンバーシップに関わる処分が下される前に、問題に関する言い分を言う機会がメンバーには与えられます。それらは確かに重要で、あなたはそれを十分に心掛けておくべきですが、それらのルールを破ることに気にしすぎる必要はありません。なぜならVATSIMのゴールは学ぶことと楽しむことなのですから。あなたの会員資格に関係する2、3のルールと常識を働かせるために要求される事柄があります。VATSIMはこれらのルールによって管制官、パイロットの両方がよりよいオンライン体験ができるということを信じています。

A.ルール

VATSIMコミュニティとして参加するとき、多くの規則に出くわすことでしょう。あなたの興味のよりどころによりますが、管制のレベル、あなたが参加するVAの要求事項、軍機関によって時々出されるメンバーシップの期待事項などによって出されるルールがあります。もしあなたがそれらを守れないのならば、そのコミュニティを追い出されるかもしれません。

それらの団体への参加が重要である間、この議論の焦点であるVATSIMの会員資格とそれは同じではありません。VATSIMの良き会員としていたいのならば、あなたが守るべき3つのルールセットがあります。それはVATSIM規則、VATSIM運営規則、ユーザ規定です。これらの最新版はVATSIMのウェブサイトで閲覧できます。なおここでは概略のみを見ていきますので、それぞれの決まりを深くは見ていきません。その代わりに3つの規則の一般的なルールについて述べていきます。

A.1. VATSIM規約(Code of Regulations)

このドキュメントはVATSIMの組織体制について詳しく説明します。規約はメンバーが理解するために重要なセクションのみを含みます。1章にはメンバーシップに関する一般的なルールがあります。VATSIMの会員を維持するために、1.01(I)項にある最低条件には特に注意を払いましょう。

6章にはVATSIMから追放あるいは資格を停止しなければならない方法について述べてあります。この章には仮にあなたがそういう状況に陥った場合にあなたが持つ権利について書いてあります。これについては後程触れます。

A.2. VATSIM行動規範(Code Of Conduct)

このドキュメントにはあなたがVATSIMにログインしたときに、あなたの行いに関するルールが含まれています。あなたの日々のVATSIMの使い方で、あなたが読んで理解すべき重要なルールです。この規則は3つのセクションい分けられます。:一般規則、パイロット規則、管制官規則です。
VATJPNではこの行動規範を日本語で提供しています。

A.2.1 A(9)節 非管理対象に対する接続規則

限られたネットワークリソースを守るため、このルールはネットワークにログインしているパイロットや管制官が誰かに構われることなしに接続状態のままになることの繰り返しを止めるためにつくられました。長時間フライト(終夜フライト)を行っているパイロットが、オートパイロットに切り替えて、眠ってる間中接続が維持されていることが例になるでしょう。

30分を超えて席を離れることが予想されるとき、このルールはメンバーに対してログオフすることを求めます。このことを繰り返さないようにするための説明としてよく言われるのが、大西洋上など非管制空域を飛んでいるパイロットが悪意はなくても結果として管制へのコンタクトに失敗してしまうということです。また別の例としてはネットワークに数人しかおらず、接続を保ち続けることによって帯域を無駄にしないことです。ただしこれはネットワークに何人同時に接続しているとか、非管制空域にいるとか、洋上を飛んでいるとかは気にしません。あなたの接続は維持されます。

VATSIMのメンバーとして、ネットワークが提供される点でコストがかかっていることを認識すべきです。私たちのネットワークを維持しているサーバに接続するときには、その帯域を使っていることになります。その帯域は誰かによって購入され、寄付されたものです。帯域の使用量はあなたの家の電気や水道のように量られます。たくさん使えば高い請求をされます。あなたが朝、会社や学校へいくときに一日中水がしたたり落ちないように蛇口を閉めますよね?誰もわざとそういうことはしませんね。だって高い請求が来るわけですから。

VATSIMの接続から不意に離れることはこれとまったく同じです。違いはあなたがお金を払っていないことだけです。しかし誰かが帯域を使い、もしそれが大きくなってしまうと、VATSIMはそのサーバの使用権を失うでしょう。私たちはこの有効で寄付されたリソースを無駄に使ったりいい加減なマナーで扱ったりすることのないように守るということを気をつけなければなりません。

もしあなたが30分を超えて反応がないとされた場合は、ネットワークからすぐに切断させられるでしょう。常習犯はアカウントの停止や削除が行われます。覚えておいて欲しいことのひとつは、スタッフは常にあなたに30分を与える必要がないということです。もし管制区域内を飛んでいるときで反応のない場合は、即座に切断させることができます。30分を超えてコンピュータから離れたり、突然離れなければならないことが予想されるときは、ネットワークから切断することがポイントです。

A.2.2 A(14)節 無効なコールサインに関する規則

このルールの目的は、もう一度言いますがネットワークのリソースを守るためです。新メンバーが初めてログインしたときにはどのように物事が行われているのかを観察することは推奨されます。これは手順や用語を勉強するのに役立ちます。観察とはVATSIMにログインして、無線を聴くためにじっとしていることを意味します。

過去には、無線を勉強のために聴取するでもなく、飛ぶでもなく、管制をするのでもなく、不必要に長くログインすることによって妨害されたことがありました。通常これらのメンバーが行っていることは、単に友達とチャットしていただけで、VATSIMをチャットサービスとして使っていました。我々のリソースが限られている点からして、このルールはこのような行為を制限するために作られました。もしスーパーバイザーやネットワーク管理者があなたのコールサインが無効になった(もちろんルールによって定義されますが)と判断した場合は、まず初めに警告をうけます。そして立て続けに違反した場合は、アカウントの停止や追放の結果を生むことでしょう。

なお勉強するための正当な観察はVATSIM内でうまくなるための必要な練習として奨励されることは覚えておきましょう。あなたがこのルールに抵触するかは正規な観察をすることとVATSIMをチャットプログラムとして使うかの違いだけです。

A.3. ユーザ規定(User Agreement)

このドキュメントはVATSIM.netネットワークのあなたの使い方についてカバーしています。ユーザ規定はVATSIM運営規則と同じことをたくさん含んでいます。しかんしながらネットワーク、メーリングリスト、ニュースグループやフォーラムなどの点において追加の規則があります。加えて言うならば、ユーザ規定はすべてのVASIMメンバーが、メンバーに重要事項を知らせるNOTAMを購読することを要求します。

B. VATSIM規約第6章 VATSIMアカウントの停止と追放

すでに述べたように、規約の第6章にはもしあなたに対してアカウント停止や追放の手順が開始されたときに、あなたが持っている権利について述べたものです。この文章はあなたのアカウントに対して何らかのアクションが起こされる前に、スーパーバイザーやDCRM(Divisional Conflict Resolution Managers)、RCRP(Resional Conflict Resolution Panels)そして理事会によって守られることを必要とするルールが書かれてあります。

B.1. DCRMへの付託

もしスーパーバイザーやアドミニストレータが、あなたの規約や規則に関する違反がしばらくの期間アカウントを停止するか、VATSIMから永久に追放するに値するくらい重大かどうかを判断し、そういうケースの場合は、DCRMに送られます。その付託を受けるDCRMは、あなたの支部で行われたのか、それとも申し立てが行われた支部のどちらかになるでしょう。あなたのケースでアサインされたDCRMからメッセージを受けることになります。付託の受領から30日以内に判断するようにDCRMには要求されます。

B.2. RCRPへの上訴

メンバーはDCRMの決定に対してRCRPに上訴する権利を持っています。ほとんどの場合、上訴をアサインされるRCRPはそのケースを最初に聞いたDCRMがいる支部と同じ支部の人がなります。あなたはDCRMが下した決定にメールアドレスを含むので、どのRCRPがあなたの上訴を聴くかを知ることになるでしょう。

B.2.a. 迅速な上訴

RCRPにどんなDCRMの決定も上訴する権利はありますが、RCRPがあなたの上訴を考えるために、それはタイムリーでなければなりません。規約の下ではmRCRPに対する上訴はDCRMの決定を受けてから10日以内のものがタイムリーであると考えられます。もしあなたの上訴がDCRMの決定から10日を超えて行われたのならば、あなたはRCRPにその上訴を聞いてもらう権利を失います。

B.2.a.1. 10日ルールの除外

もしDCRMによって追放されている場合は、その決定は自動的にRCRPによってチェックされます。それは自動であるので、あなたは10日以内に上訴をする必要はありません。

RCRPは永久追放に関わるすべてのケースと同様にタイムリーな上訴を聞きます。RCRPの仕事はその証拠を使ってDCRMによる推察が正しかったがどうかをチェックすることです。これはDCRMが間違っていたり、その決定がアンフェアであるとの理由を示すことに集中すべきだからです。あなたはRCRPがDCRMからあなたのケースを聞いたときにその証拠が有効でなくなる場合を除いて、新しい証拠などをRCRPへ送るべきではありません。

RCRPはあなたの上訴をファイリングした日から30日以内に決定を出すことを要求されます。

B.2.b. 最終決定

停止期間が90日を超えないすべての場合において、RCRPの決定は最終とあります。これは停止が90日を超えない場合において、あなたの上訴のすべてが終わることを意味します。もしRCRPが90日を超えてアカウントを停止することを負わせるDCRPの決定にRCRPが賛成した場合、あなたはVATSIM上訴パネルに上訴することでしょう。

RCRPへの上訴に関する情報は、VATSIM規約の6.07(B)節を読んでください。

B.3. VATSIM上訴パネルへの上訴

90日を超えるアカウント停止か追放となったすべてのケースにおいて、あなたはDCRMやRCRPの決定をVATSIM上訴パネルへ上訴する権利を持っています。RCRPへの上訴とは違い、この上訴は任意となります。これはこの上訴パネルにはその上訴を聞く義務を負っていないことを意味します。説明なしにあなたの上訴が却下されたり、RCRPの決定を有効とすることもあるでしょう。この任意ルールに対する唯一の例外は永久追放の場合です。上訴パネルはDCRMやRCRPがVATSIMからの追放させるべきメンバーと忠告したすべてのケースをレビューしなければなりません。

B.3.a. 迅速な上訴

もしレビューの結果、上訴パネルによってあなたのアカウント停止が適当であるときには、あなたはそれが考えられる前に迅速な上訴を行うべきです。これはRCRPへの上訴で行われることと同じです。規約の下では、RCRPの決定を受けてから10日以内に上訴パネルへの上訴が行われたときには迅速な上訴と考えられます。もしRCRPの決定を受けてから10日を超えて上訴が行われたときには、あなたをそれを聞いてもらう権利を失います。上訴パネルはこの時点を超えると、その上訴を聞く権限はなくなります。

RCRPへの上訴として、永久追放の場合はこの10日ルールの例外となります。上訴パネルは自動的にレビューをし、VATSIMからメンバーを永久的に除名するためのDCRM、RCRPの決定を許可しなければならないからです。それゆえ10日以内に上訴をする必要はありません。

B.3.b. 最終決定

上訴パネルは迅速な上訴がファイルされてから60日以内に上訴のすべてに関する決定をするように求められます。この決定はすべての場合において、最終となり、他に上訴をする手段はありません。

上訴パネルへ上訴に関する情報は、VATSIM規約の6.07(C)節を読んでください。

まとめ

私たちが始めたとき、VATSIMのルールはパイロットと管制官の両方が出来る限り教育的で、楽しめるためのオンライン経験を作るために作成されました。VATSIMのメンバーとして、あなたがネットワークにいる間で少しの常識を持って活動している間は、この紛争解決手段で自分自身を見つけることは決してないでしょう。もし紛争解決に直面するときには、VATSIMはあなたの側について、支部の紛争解決を説明する権利を与えることによって、出来る限りフェアにその手段を実行しようとしました。加えて言うならば、あなたはRCRPによってレビューされたDCRMの決定を持つことができます。また最後にはいくつかの場合ですが、上訴パネルによってレビューされることもあります。この複数の層となっている紛争解決手段は、メンバーの権利を剥奪される人が最初に聞いてもらえる機会を持っていることを確実にするものとして入れられています。

恐らくこの概要で、あなたがパイロットとしてVATSIMを使用するときに持つであろう質問のほとんどに答えているでしょう。もし他の質問があれば、VATSIMの紛争解決担当に電子メールを送ってください。

望むところはあなたがVATSIMが提供しているすべての利益を楽しむことです。常識の欠乏は、フライトシミュレーションの経験においてよりよいことを見つけることができないでしょう。