METAR
ここに書いてあるすべての情報はVATSIMでフライトするためだけに使用します。実際のフライトでは使用しないでください。
METARとは定時飛行場実況気象と呼ばれるもので、各空港の気象状態を表す文字列です。ぱっと見、暗号のようですが、決まったフォーマットで書かれています。VATSIMではこのMETARデータを使って各空港の気象が決まります。まず下記の例を参考に解読してみましょう。
RJTT 091230Z 33015KT 8000 -SHRA FEW007 BKN035 02/00 Q1011 RMK 1ST007 7CU035 A2986 P/FR
RJTT
空港のICAOコード
091230Z
観測時刻。GMTで日時が書かれています。この場合だと9日12時30分となります。
33015KT
風向風速。真方位で表現された風向3桁と風速が2桁で表されます。この場合330度15ノットとなります。
他にも次のような場合があります。
- VRB03KT:VRBは風向が一定でない場合を意味します。
- 33015KT 280V010:風向が280度から010度まで回っていることを意味します。
- 33015G30KT:突風が吹いている時などに書かれます。この場合30ノットの突風が吹いていることを意味します。
8000
視程。視程がメートル単位で書かれます。この場合8000メートルとなります。
他には次のような場合があります。
- 9999:視程が10km以上の場合
また視程に続いてRVR値が書かれるときがあります。RVRとは滑走路視距離で滑走路上で中心線を示すライトが見える距離を示します。RVR値が書かれるときにはその滑走路番号とその値が示されます。
- R34/1400:滑走路34のRVRが1400メートルのとき。
- R34/P1800:滑走路34のRVRが測定器の上限(1800メートル)を超えているとき。
- R34/1400D:滑走路34のRVRが1400メートルで10分間の前後5分を比較して悪くなっている場合。"U"は逆に良くなっている場合、"N"は変化がない場合。
- R34/1000V1400:滑走路34のRVRが1000から1400メートルの間で変動しているとき。
-SHRA
天気。降水やその他の現象がある場合に書かれます。この場合は弱いしゅう雨となります。
天気はその強さ、特性、降水、視程障害現象、その他の現象の順に記されます。
強さ
- + 強い
- - 弱い
- なし 並
- VC 空港近辺の現象
特性
- BC 散在している
- PR 所々
- DR 低い吹き上げ
- BL 高い吹き上げ
- SH しゅう雨性
- TS 雷
降水現象
- DZ 霧雨
- RA 雨
- SN 雪
- GR ひょう
- GS あられ
視程障害現象
- BR もや(視程1000~5000メートルの場合)
- FG 霧(視程1000m未満)
- HZ 煙霧
その他の現象
- FC 竜
FEW007 BKN035
雲の状況。雲量と雲底高度が100フィート単位で書かれます。この場合FEW(雲量1/8~2/8)の雲が700フィートに、BKN(雲量5/8~7/8)の雲が3500フィートにあることとなります。
雲量には次の4種類があります。
- FEW 雲量1/8~2/8
- SCT 雲量3/8~4/8
- BKN 雲量5/8~7/8
- OVC 雲量8/8
一方濃い霧などで上空がよく分からない場合で、鉛直方向の視程が報じられる場合は"VV"の後にその距離が100フィート単位で報じられます。
また雲底高度が不明な場合は"///"と書かれます。
次の条件を満たす場合には"CAVOK"と書かれます。
- 視程10km以上
- 5000フィートもしくは最低扇形別高度のどちらかに雲がない。また積乱雲や塔状積雲がないこと。
- 降水など天気を示す記号を使うような現象がないこと。
また視程のみが悪く、その他は"CAVOK"の条件を満たすような場合は"SKC"と書かれます。
積乱雲もしくは塔状積雲がある場合はこの節でそれが書かれます。積乱雲は"CB"、塔状積雲は"TCU"と書かれ、注意を与えます。
02/00
気温と露点が摂氏で書かれます。この場合気温2度、露点0度となります。
Q1011
気圧です。Qとある場合はヘクトパスカル、Aとある場合はinHg単位となります。この場合1011ヘクトパスカルになります。
RMK
これより先は備考・記事欄となります。雲の詳細情報やその他の情報がこれ以降に記されます。
1ST007 7CU035
雲の状況で報告された雲の詳細な情報が載せられます。この場合FEW007の雲は実際には雲量1/8の層雲で700フィートに、雲量7/8の積雲が3500フィートにあることを意味します。
A2986
気圧がinHg単位で書かれています。この場合29.86inHgを意味します。
P/FR
気圧が30分前より1ヘクトパスカル以上変動していることを意味します。P/FRは気圧が下がっていること、P/RRは気圧が上がっていることを示します。