3.1.5 アプローチ管制官の業務

アプローチ管制官の業務

アプローチ管制官の業務は到着機もしくは空域を通過する航空機に対してレーダーサービスを提供し、安全に飛行させることです。なおタワー管制官やグランド管制官がいないときは、その業務も担当します。

 

STARでの進入

通常フライトプランにはSTARが始まるフィックスまでしか書いてありません。STARに従って降下させ、進入をさせるときは、その旨を通報します。

〔STARの名称〕で (〔フィックス〕への ) 飛行を承認します。
CLEARED ( TO 〔fix〕) via〔STAR name〕.

JA815C, Cleared to MISMI via MISMI east arrival. Descend via STAR to 3400.

 

到着機のレーダー誘導

到着機を最終進入コースへレーダー誘導するときは、その進入フィックスへの直行指示は出さないでください。また最終進入コースへ会合させる場合は、基本的にアプローチゲートの2マイル手前までに、30度以内で会合させます。

なお最終進入コースを横切らせる場合は、次の用語により行います。

〔目的〕のため最終進入コースを横切って誘導を行います。
EXPECT VECTOR ACROSS FINAL APPROACH COURSE FOR〔purpose〕.

JA815C, expect vector across final approach course for spacing.

 

進入許可の発出

到着機がアプローチゲートに到達する前までに計器進入許可を発出します。

〔計器進入方式の種類〕進入を許可します。
CLEARED FOR〔type〕APPROACH.

 

なお到着機に対してSTARを経由して進入許可を発出する場合は次の用語で用います。このとき降下の指示はしなくてかまいません。

〔STARの名称〕経由(〔計器進入方式の種類〕)進入を許可します。
CLEARED FOR(〔type of approach〕) APPROACH VIA〔STAR name〕

 

視認進入許可の発出

到着機をトラフィックパターンに誘導し視認進入で進入させる場合は、空港が次の状況でなければなりません。

・地上視程が5km以上
・雲高+空港の標高が最低誘導高度よりも500フィート以上高い場合

視認進入の許可を発出する場合は、当該着陸機の状態により分けられます。なお許可を発出する前に到着機が管制圏に突っ込むことがないようにしましょう。

滑走路〔番号〕への視認進入を許可します。
CLEARED VISUAL APPROACH RUNWAY〔number〕.

先行進入機がない場合は到着機から飛行場視認の通報があったのちに、発出します。

JA815C, airport 12 o'clock 12 miles, report airport in sight.

Airport in sight, JA815C.

JA815C, Cleared visual approach runway 07.

 

先行進入機がある場合は当該到着機から先行進入機視認の通報があったのち、その先行機に続いて飛行するようにして許可を発出します。

JA815C, traffic 1 o'clock 10 miles, Boeing 777.

Traffic in sight.

JA815C, follow the traffic, cleared visual approach runway 07.

 

当該到着機が第2位の進入順位でかつ先行機を視認できない場合で、飛行場視認の通報があった場合は、先行進入機の情報を通報して、許可を発出します。

JA815C, traffic 12 o'clock 9 miles, Airbus 320. Report traffic insight.

Negative contact.

JA815C, roger. Report airport in sight.

Approach, JA815C, airport in sight.

JA815C, Preceding traffic turning final. Cleared visual approach runway 25.

 

ハンドオフ

進入許可を発出した後、速やかにタワー管制官へハンドオフします。